治療について

少しずつお話をお聞きした上で、すでに出来ている良い考えや行動の確認を繰り返します。
周囲の助けに目を向け、ご本人の了解があれば、ご家族ともお話を聞かせていただきます。
ストレスへの対応として、変えないもしくは、変えたほうが良いかの選択を時間をかけて分けていきます。
変えたほうが良いことに対しては、これまで、ご自身がどのような対応をしてきたかを振り返り、どのような考えを持ち、行動をとれば、対人関係などが楽になるのかを一緒に探します。例えば、マウンティングではなく、考えの深さや幅を持つことに繋がれば幸いです。
必要であれば、薬を考えます。
重度の認知症や知的障害の方で、言葉での対応が難しい場合は、安心していただける態度で、接していきます。
こんな時、気軽にご相談ください。

- 緊張や不安が強い。
- 自分自身が、自分だけのものではない感覚がある。
- 気分が沈む、寂しい。
- 楽しさを感じない。
- 何かをする気持ちになれない、迷いが生じる。
- 自分を責めてしまう。
- 良い考えが頭に浮かばない。
- 寝つけない。眠ってもすぐ目がさめる。
- 最近、いらいらして、怒りっぽい。
- 物忘れが気になる。
- 対人関係が苦手。
- 体の検査では異常ないと言われているが、疲れやすい、動悸、息苦しさがある。
- 人に迷惑をかけてしまうくらいのお酒の飲み方が続いている。
- 怖さのコントロールが出来ない。
- 何かを失った後の悲しみの感情が長く続く。
往診について
心のケアが必要な状態の認知症、せん妄、末期がん、頭部外傷後、脳卒中後、整形外科疾患、神経筋難病の方で、通院が難しい場合に、精神科医が訪問し、ご本人とその家族と向き合い、病状と介護負担の軽減を目指します。
- 訪問先
- 在宅、介護保険施設、精神科のない一般病院、学校
- 費用
- 自己負担が軽減される自立支援医療制度が適応されます。
和歌山市認知症初期集中支援チームについて
和歌山市認知症初期集中支援チームについては、市報わかやま平成27年10月号をご覧下さい。
相談窓口はお近くの和歌山市地域包括支援センターです。
和歌山市と和歌山市医師会の事業です。
相談者、地域包括支援センター、裕紫会中谷病院のスタッフの方々と連携、当院も往診します。
認知症について

下記の症状があれば、早めにご相談ください
- 新しいことが覚えにくい。
- 同じ質問を繰り返えす。
- 置き忘れがある。
- 約束を忘れる。
- 道に迷い、危険なことがある。
- 火の消し忘れがある。
- お金の計算が難しくなっている。
- 順序立てて何かをすることが難しい。
- 目で見たものの名前が出にくい。
- 日用品の使い方が分からない。
- 服のボタンが合わせにくい。
- 会話の中で言葉が出にくい。
- 読み、書きで間違うことがある。
認知症の治療とご家族の心のケア
介護保険サービスを利用し、家に閉じこもりがちにならないことが一番です。治療に際し、介護保険施設スタッフのご意見は大切だと考えています。4種類ある認知症の進行を抑制するお薬の提案も致します。
介護負担は2種類あります。一つは、御家族自身の疲れであり、休養などで対応することが良いと思われます。もう一つは認知症の症状の影響するもので、認知症の知識をもって疾患別(アルツハイマー型、血管性、レビー小体型など)にケアを行うことが必要かと考えています。
認知症の方の財産管理のご不安には、成年後見制度への対応もさせていただきます。
ケアマネージャーさん、地域包括支援センターをはじめ、介護に関わる全てのスタッフの方々とともに、また、初期集中支援チームという形で、認知症の方やご家族の心の安定に当院が協力できればと思っています。